Column お役立ちコラム

不動産市況から考える「買い先行」と「売り先行」

買い替えには、「自宅の売却」と「新居の購入」という2つの大きなイベントがあります。自宅を所有されている方にとっては、「今の自宅を先に売った方がいいのか、それとも次の住宅を先に購入したほうがいいのか」という問題は非常に悩ましいことかと思います。「売れたらOK、買えたらOK!」という楽観的な考えで取り組むと、思わぬ手間やコストがかかってしまう可能性もあります。
今回のコラムでは、売却先行と購入先行のどちらを選ぶべきか、また、注意すべき点を解説しています。手間も費用も最小限に、賢く買い替えるためにぜひお役立てください

不動産のトレンドから考えよう

買い替えを検討し始めたときに多くの方が悩むのは、「売却と購入、どちらを先に進めた方がいいのか」ということ。進め方を判断する上で最も重要なことは、不動産のトレンドを読みとくことです。トレンドによって、買い替え時にとるべき行動はある程度決まっています。

●価格上昇局面・・・<購入先行型が有利>
不動産の相場が上昇しているときです。この場合は、まず購入を優先して希望の物件を安値で購入しましょう。一般的に、この局面では売却金額も安定的です。

●価格下降局面・・・<売却先行型が有利>
不動産の相場が下降しているときです。この場合は、まず売却を優先してじっくり賃貸に住みながらでも安値で新居を購入するとよいでしょう。

●横ばい安定局面・・・どちらでも選択可能

住宅需要が高まり価格上昇局面となっている現在は、「購入先行型」を選択すると良いでしょう。コロナ禍によるリモートワークやステイホームの普及により自宅で過ごす時間が増えたことから、住まいに対する価値観が大きく変わりました。近隣の生活音が気になったり間取りへの不満が出たりと、住宅需要が非常に高まってきており、需要の高まりと連動して住宅の価格相場は全体的に上がってきています。現在買い替えを検討している方は、まずは新居の確保を第一優先に考えることをおすすめします。

物件による向き・不向き

「購入先行型」で進める場合、引渡しまでにどれくらいの時間が確保できるかを検討しながら物件選びをすると良いでしょう。ゆっくり売却活動に専念できるよう、新しく購入する物件の向き・不向きをチェックしましょう。

●先に購入した方がいい物件
・土地
・完成前の戸建て/マンション
・リフォーム前/リフォーム中の中古物件

●購入しない方がいい不動産
・中古戸建て全般
・完成済みの戸建て/マンション
・リフォーム後の戸建て/マンション

土地や完成前の物件は、引き渡しまでに時間があるため、その時間を使って効率よく売却活動をすることができます。一方、すぐに引渡しとなる物件は、自宅の売却活動に充てる期間が短くなるため、急いで売却活動をせざるを得なくなります。いかにゆとりをもって売却活動を行えるかを軸に、どういった物件を購入すべきかを検討しましょう。

銀行融資も確認しておきましょう

次に考えるべきは、銀行融資(ファイナンス)の観点から買い換えが可能かどうかです。購入先行で進めた場合、新居を購入してから自宅売却が完了するまでの間は、「既存の住宅ローン+新規の住宅ローン」の二重ローンを支払っていかないといけません。リーマンショック前であればさまざまな銀行で「買い換えローン」が充実していたのですが、現状では取り扱っている銀行は少なく、基本的には「自宅の売却が済んでから来てください」と対応される場合がほとんどです。現実的には、多くの方は返済余力がないと判断され、銀行からの融資は受けられないことがほとんどです。しかし、一部の銀行では「買い替えローン」が存在しますので、条件を事前に確認し、利用できそうであれば使いましょう。

注意が必要なのは、ご自宅の売却評価額とローン残債額が重視されるという点です。購入先行で進めたいと考えていても、ローン残債額が売却評価額を上回る場合、買い替えローンは原則利用が難しいです。こういった場合には、売却先行でないと買い替えできないパターンもありますので、このあたりは事前に確認しておく方がよいでしょう。融資については複雑なローンスキームがあるため、不動産仲介会社に相談しながら進められることをおすすめします。

まとめ

今回のコラムでは、不動産トレンドから考える「買い替えを賢く進めるコツ」と、物件の選び方、融資に関する注意点をお伝えしました。コロナ禍によって住宅需要が高まっている現在においては、まずは要望に合った新居を確実に押さえ、その後に安心して売却活動を行う「購入先行型」で進められることをおすすめします。融資面も事前に確認しながら、賢く買い替えできるよう計画的に進めていきましょう。
当社アドキャストでは、ご売却に関するアドバイスはもちろんのこと、購入物件のご紹介や住宅ローンに関するご相談も承っております。多角的なアドバイスができる専門スタッフが在籍しておりますので、お買い替えを検討されている方はアドキャストにお任せください。

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